双極性障害になりやすいタイプ

これまでに、いろいろな精神科医によって、双極性障害になりやすいタイプ(人)には、いくつかのパタ-ンがあることが報告されています。


中でも有名なのは、1921年に、ドイツの有名な精神科医クレッチマ-が、人間の体型を四つのタイプ(①痩せ型、 ②肥満型、③筋骨型、④発育異常型)に分類し、双極性障害は肥満型に多く、性格は循環気質(躁うつ気質)であるとしたことです。


循環気質の特徴

  1. 人付き合いが良い、親切である、親しみやすい

  2. 朗らかである、ユ-モアに富む、激しく興奮しやすい

  3. 物静かである、落ち着きがある、物事を苦にする、柔和

などがあり、中には陽気で快活で、人付き合いの良い型と孤独で引っ込み思案の型とがあるとしています。クレッチマ-は、これらの特徴が、著しく異常なまでに達したものを循環病質と名づけました。


しかし、躁うつ病の病前人格には、これまでに述べた循環性格のほかに、思い込みが激しく、頭の切かえが難しい等の執着性格が重要であることが、わが国の下田光造(1950年)によって指摘され、その後に、ドイツの精神科医テレンバッハも、ほぼ同様の性格をメランコリ-親和型人格と呼んでいます。


メランコリ-とは、ドイツ語でうつ病という意味です。この型の人は、まじめで几帳面な人が多く、いつも組織や構成の整った状態の中で、密着して生きようとしています。


うつ病の特徴については、【うつ病の種類と特徴】をご参照ください。


躁病のかんたんチェック項目

  1. そわそわして、落ち着かなく、電話をかけたり、よく外出したりする

  2. 原色の服を着たり、アクセサリ-等で身辺を飾ったり、派手な化粧をする

  3. 1日に何度も買い物に行く(お金の使い方があらい)

  4. よく食べる

  5. あまり寝ない(早く目が覚める)

  6. 異性に強く関心を示す

  7. 誰にでもよくしゃべりかける

  8. 怒りっぽく、よくけんかをする

  9. 偉くなに威張ったり、ありえないような大きなことを言う

  10. いきいきとした表情をしている

  11. 頭の回転が速く、要求を押し通そうとするなど

以上のような事が、躁病になると認められます。