双極性障害を疑う症状

うつ状態に入ってる時では、双極性障害かどうかを見極めるのは非常に難しいです。症状の違いがあったとしても、後から気づかされることも少なくありません。


双極性障害の診断をしていくには


  • 治療のはじめに疑うこと

  • 治療効果が不十分なときに疑うこと

の2つが大切です。疑って初めて、症状がみえてきます。


JET試験

JET試験と言う、双極性障害のうつ状態の患者さんを分析した報告があります。5つの要素が双極性障害と関連が大きいと結論付けられています。2つ該当すればほぼ双極性障害で間違いがないという結果になっています。


① 抗うつ剤による躁転


② 混合状態


③ 1年で2回以上の繰り返し


④ 初発年齢が25歳未満


⑤ 自殺企図歴


それ以外にも、双極性障害に多い特徴を以下のとおりです。


  • 症状が不ぞろい

  • 症状が変化しやすい

  • 気分反応性を認める

  • 不安や焦燥感が強い

  • 過眠や過食がみられる

  • 幻覚や妄想が認められる→この場合は統合失調症の問診もして拾って行きます

  • 家族に双極性障害の患者がいる

  • 季節性がある(冬季うつ病)

引き起こされる合併症が、双極性障害の診断を困難にする要因となる

双極性障害は、複数の精神疾患を抱える方が多い傾向にあります。これは双極性障害Ⅰ型だけでなく、双極性障害Ⅱ型にも同様のことが言えます。


例えば・・・


  • 不安障害

  • 依存症

  • 摂食障害

  • パーソナリティ障害

などの合併が多く認められます。


この合併症の多さが症状を複雑にし、診断や治療が難しくなる場合があります。双極性障害の合併症として最も多いのが不安障害です。双極性障害の患者のうち75%の方にパニック障害や社会不安障害などの何らかの不安障害が合併していると言われています


依存症を抱える人も多いです。アルコールに対する依存では、双極性障害Ⅰ型で50%以上、双極性障害Ⅱ型で37%というデータがあります。ギャンブルや買い物に散財するといった行為に対する依存が見受けられるケースが多々あります。


摂食障害の方も多く、拒食症というよりは過食症の方が圧倒的に多いのも特徴です。


また気分の波に左右されて生活しているので、考え方や行動が極端になってしまってパーソナリティとして固定化される事もあります。


この個性の為に上手に周りに適応出来ない場合はパーソナリティ障害と診断します。境界性パーソナリティ障害の合併も多いです。


双極性障害の特徴

また、双極性障害の特徴としては、次の三つが主なものです。


  1. 生命感情の障害を示す病気で、躁うつ病以外の精神障害でも、同じような症状が見られるが躁うつ病ほど著しくない。

  2. 周期性の経過をとり、正常にもどる時には、ほとんど障害を残さない。

  3. 予後は良好で、自然に治る事もある。ただし、うつ病で長い年月にわたって、症状が持続する場合は、身体的持病(高血圧症、胃潰瘍、糖尿病、神経痛など)の合併、あるいは持続的なストレスなどが見られる場合がある。

まとめ

双極性障害は、軽い症状のケ-スだと見落としやすく、診断が大変難しい病気です。その分、変化を感じた家族の方などの協力(相談など)、早期発見がとても大事になってくるのです。