うつ病と自立支援医療(精神通院医療)

うつ病の治療には、お金がかかります。特に薬代は比較的高いです。うつ病の重傷度によっては仕事ができず金銭的余裕がないなかで、生活費の中から治療費をやりくりしながら病院へ通っている人も少なくないでしょう。


そんな時に頼れる制度があります。それは「自立支援医療(精神通院医療)」制度というものです。


「自立支援医療制度(精神通院医療)」とは、精神科の病院又は診療所に入院しないで行われる治療(外来、投薬、デイケア、訪問看護等)の自己負担額を軽減できる制度です。 


精神疾患はゆっくりと少しずつ安定、改善していく疾患が多く、そのため治療は長期にわたる通院が必要になります。経済面で考えると「長期的な通院」は大きな負担です。


日本の医療保険制度は世界的に見ても患者さんへの負担が少なく充実していると言われますが、それでも診察、検査、投薬など長期間続ければ医療費の負担は重くなります。


このような問題から「長期通院が必要となる精神疾患の患者さんへ経済的な負担を軽くしよう」という目的で作られたのが「自立支援医療」です。この制度を利用すると精神科通院の経済的負担が大きく軽減されます。 


では精神通院医療はどのくらい経済的な負担が軽減されるのでしょうか。 


さらに自立支援医療では自己負担額の上限も設けられています。基本的には1割負担となりますが、患者さんの世帯収入に応じて自己負担額には上限があり、月0円(実質負担なし)、月2500円まで、5000円まで、10000円まで、20000円まで、上限なし(医療保険の自己負担限度額が適用されます。)などの上限が設定されています。

精神通院医療の自己負担上限額の概要

※上記の表の容はザックリとした目安です。詳しくはもよりの役所窓口でご確認下さい。

世帯収入によって負担額が異なるため、所得が一定以上ある方は基本的には自立支援医療を受けることができない場合があります。ただし、医師が「重度かつ継続」に該当すると判断すれば受けることができ、精神疾患の場合はこれに当てはまることが多いです。

自立支援医療の申請から利用まで

自立支援医療を受けるためにはどのような手続きをすればいいのでしょうか。

  1. 主治医に自立支援医療の適用になるか相談する。 

  2. 主治医に確認がとれた場合や、主治医から申請を勧められたら、役所で申請用紙をもらう。 

  3. 主治医に申請用紙を記入してもらう。(状況により1~2週間ほどかかることもある。) 

  4. 役所の 障害福祉課等の窓口で申請する。(窓口は役所により異なる。) 

  5. 自立支援医療受給者証と自己負担上限額管理票が届く。(申請後1か月程度) 

  6. あらかじめ指定した病院、クリニック、薬局等で提示すると自立支援医療の適用となる。

※注意点

自立支援医療は、事前に登録した「指定自立支援医療機関」(病院、クリニック、薬局、訪問看護ステーション等)のみで利用できるものであり、どんな病院でも使えるものではありません。「指定自立支援医療機関」の変更は役所で行います。


また自立支援医療受給者証の有効期限は1年となるため、更新の場合は有効期限の3か月前から主治医に再度申請用紙を記入してもらうことができます。ただし病状や治療方針に大きな変更がない場合は2年に1回の更新でも認められることがあります。


自立支援医療は、患者の経済的負担を軽減する制度です。自立支援医療はあくまでも「外来通院による精神疾患の治療のため」適用されるものです。そのため、それ以外の治療や入院医療の費用に関しては適用となりません。 


精神科治療以外のお薬をもらう場合は、お薬のみ、自立支援医療の適用外となります。 


しかし、「精神科のお薬」の副作用で便秘になっていてそれを改善するために下剤を投与している場合や、吐き気が生じていて、それを改善させるために胃薬を投与している場合などで、医師が判断する場合は、間接的ですが、「精神科のお薬」ではないものでも自立支援医療の適用となります。 


基本的には処方した医師が自立支援医療の適用かどうか判断します。


最後に、医師からは「自立支援医療制度」を勧められることはありません。あくまでも自分から医師にその旨を相談してください。


申請に必要な書類の中には所定のフォーマットの診断書があり、それは医師に書いてもらう必要があります。その際に診断書代(5000円~8000円程度。病院によって診断書代は違います)がかかりますので、ご注意ください。