
調子が良くなったからといっても、やってはいけないこと
うつ病の治療をしていて、調子が良くなったからといっても、やってはいけないことがあります。それは医師の指示なくクスリの服用を止めることです。
クスリを飲んでいる限り「病気」であることは間違いないので、調子が良くなった=完治したということではないからです。あくまでも「クスリを飲むことで安定できている」という意識を忘れないようにしてください。
うつ病については、クスリを飲まずして症状がよく普通の生活ができるようになることを完治とは言わず「寛解(全治とまでは言えないが、病状が治まっておだやかであること)」といいます。
寛解とは病気による症状が好転あるいはほぼ消失し、「臨床的にコントロールされている」状態です。これは何を意味しているのか。それは「うつ病」は完治するのはなかなか難しい病気であることだということです。
社会復帰が出来ても両手放しで喜んで気を抜かない
「社会復帰」をした場合、当初はいろんな意味で「再スタート」という気持ちが大きくなりますが、うつ病という病気は再発率の高い病気です。もしも社会復帰まで漕ぎ着けたとしても、それはあくまで「クスリで安定してるから働ける」という状態なので、気を抜いてはいけません。
このようなうつ病の性質上、治療の継続は再発防止という観点から見極める必要があります。医師から寛解と診断されても、まだ100%の安心はできません。
調子が良いと「本当に治った」という気になりがちです。仮にクスリの服用が終了しても、定期的にカウンセリングなどを受けて、今の状態をチェックして観察することをお勧めします。
寛解は焦らずに待つことが大切
早く寛解に漕ぎ着けたい気持ちは分かります。がしかし、ここで焦ってはなりません。どんなに調子が良いとと感じても、あくまでも「うつ」という病気を持病として捉えて上手に付き合っていく姿勢が必要です。
その先に「寛解」が見えてくるものだと捉えてください。寛解は焦らずに待ちましょう。
ちなみに寛解までには至らなくても就労はできるようになる場合があります。例えて言うなら、うつ病ではない他の持病を持っていても、クスリを服用することで働けるのと同じことです。
だから、まずはクスリを服用しながらでも、体調をよい状態にキープして、日常生活を送ることに心掛けてください。そして、その積み重ねの先に「寛解」が見えてくるものだと捉えてください。寛解は焦らずに待ちましょう。