「やる気が出ない」とアドレナリン

アドレナリンという「興奮物質」

「やる気が出ない・出せない」とは言っても、ある一定の時間だけ気が付いたら何だかアタマがスッキリしていることってありませんか。これは脳内の働きに関係があります。


みなさんは「アドレナリン」と言うことは聞いたことはないでしょうか。アドレナリンとは、脳内の交感神経(血管・心臓などの不随意の臓器を支配する神経)を刺激するホルモンで、いわゆる「興奮物質」に相当します。


このアドレナリンが分泌されると神経伝達物質として働き、交感神経を働かせるのです。交感神経が働くと、全身的にみれば,瞳孔を散大し,心臓血管系を促進し,消化器系や泌尿器系を抑制して,身体活動に都合のよい状態をつくります。このため俗に「昼の神経」などと呼ばれることもあります。


交感神経は興奮した状態で働く神経で、闘争・逃走反応の神経とも呼ばれています。この交感神経が働けば、瞳孔は開き(瞳孔散大)、心臓の鼓動は早まり、血圧も上昇します。まさに敵と戦う時や、全力で敵から逃げようとするときに働く神経と言えますよね。そして、この交感神経を働かせる物質こそが、アドレナリン、ともうひとつノルアドレナリンという物質があります。


アドレナリンが湧いてくると、アドレナリンが分泌されることで脳が覚醒し、やる気が湧いてくるというわけです。いわば「やる気の源」とも言えるでしょう。


例えば、朝起きて「・・・やる気がしない・・・」なんて思うのは、アドレナリンが分泌される前だからなのです。裏を返せばアドレナリンが分泌され始めると「やる気が出る」状態へと変化します。


アドレナリンも体内時計によりコントロールされている

アドレナリンもやはり【「やる気が出ない」と体内時計】で説明したとおり、体内時計により分泌される時間がおおむね決まってると言われています。言わば体内時計にコントロールされているわけです。脳が完全に目覚めて、アドレナリンが放出されるようになるには、起床後しばらくの時間が必要です。


アドレナリンが体内で分泌されると?

勉強や仕事、運動をするときなど、適度なストレス状態になるとアドレナリンが分泌され、運動能力を高める、脳を覚醒して集中力を上げる…といった働きをします。


また、この間はエネルギーを大量に消費しますから、脂肪燃焼や代謝も促され体温が上昇するなど、ダイエットや冷え対策にも効果を発揮します。


さらに、危機状況下では脳や身体が認識して「痛み」に鈍くなるような鎮静効果ももたらします。


「火事場の馬鹿力」といわれる思わぬ瞬発力を発揮して、困難な問題を解決することもあります。


ただ、もちろんプラスの働きだけということはありません。皮膚や粘膜の血管は収縮し、消化管の機能は低下し、さらには、感覚は麻痺してしまうのです。このように、ずっとアドレナリンが分泌されっぱなしも困るというわけですね。


古いことわざで、『火事場の馬鹿力』という言葉があります。これはつまり、追い込まれた時にアドレナリンが分泌され、交感神経を働かせることで、いつも以上に力が出せたりするということです。


アドレナリンの枯渇が危ない!

このアドレナリンなのですが、アドレナリンの枯渇は、無関心・無気力といった抑うつ状態や、ASD(急性ストレス障害)やPTSD(心的外傷後ストレス障害)のきっかけになるとも指摘されています。アドレナリンの分泌不足は、精神疾患と深い関係があるということです。


「やる気が出ない・出せない」から始まって、それが2週間・1ヶ月・2ヶ月と続いてしまうようでしたら、アドレナリンが足りなくて枯渇状態に陥ってる可能性が高くなります。そうなると「精神疾患という病」がすぐそこまで来ている可能性があるのです。「やる気」を発揮し持続させる為にはアドレナリンは欠かせない存在だということです。


アドレナリン過剰分泌のデメリット

しかしアドレナリンが過剰に分泌されるとデメリットもあります。メンタル面においては、アドレナリンの過剰分泌が続くと、怒りっぽくなる、攻撃的になる、キレやすくなるなど感情に作用し、パニック発作につながる可能性もあります。


よって、ここで言えることもバランスが大事であるということです。アドレナリンが分泌することよって「やる気」という観点ではメリットは大きいですが、過剰になると問題になる。なかなか難しい話です。


「過ぎたるは なお 及ばざるがごとし」の格言にあるとおり、ホルモンはまさに「過剰」も「不足」も心身に良いことではありません。何事もほどほどに…アドレナリンとも上手につきあうことが健康の秘訣といえるでしょう。


意図的に「アドレナリン」を出す方法

意図的に「アドレナリン」を出すことが出来れば、自分の力以上の力を出したいときにかなり役に立ちますよね。”火事場の馬鹿力”がその例です。本当に土壇場になった時には自分でも計り知れない力が出ることの例えです。


つまり、外部から何か大きなプレッシャーを感じた時にアドレナリンが出るわけですから、自分で自分に大きなプレッシャーをかければいいわけです。

「この仕事を終えれば、その後がラクになれる・・・」

「この勝負で勝てなければ、優勝だ!・・・」


なんでもいいんです。とにかくプレッシャーを与え続ければ、自然とアドレナリンは出てきます。


ただ過剰なプレッシャーを自ら与えるのは避けてください。返って「やっぱり無理だ・・・我慢できない」という感情が湧いてしまい、逆効果になります。程よい目標という名のプレッシャーを掲げるのが、ちょうどよいでしょう。


そしてアドレナリンは私たちの可能性を伸ばしたり、限界を超えたパフォーマンスを発揮させてくれるすごい作用があることも分かっています。


この作用をうまく利用して「やる気が出ない・出せない」から「やる気マンマン」に変わることが、とても効果的であり健康的であります。うまく利用さえできれば、本来の力を発揮できるのはもちろんのこと


それ以上の能力を叩き出すことも可能です。


自分とアドレナリン、どのように付き合えば良いのか、ちょっと考えてみてください。自分に合った「付き合い方」があるはずです。