「やる気が出ない」と体内時計

朝目覚めると「・・・やる気がしない・・・」なんて思うことは誰にでもあることですよね。この場合の「やる気がしない」は、疲労に対して睡眠が足りず、脳内物質が活性化されていない状態であると言えます。


しかしこれを変に勘違いしてしまうと、自分を「やる気が出ない状態なんだ」と自身を追い込んでしまい、本当に「やる気が出ない・出せない」状態になってしまうので注意してください。


規則正しいサイクルの元に朝の睡眠量さえ足りていれば、スッキリ起きられるはずです。そうは言っても、なぜスッキリしないのか、それには私たちのカラダの中にある「体内時計」が関係してきます。


体内時計 ーサーカディアンリズムー

私たちのカラダの中には「体内時計」というものがあります。私たちは地球の自転周期に合った約24時間のリズム、1日24~25時間というリズムを持っています。私たちは生まれながらにこのリズムを刻む遺伝子(時計遺伝子)をもっています。このリズムのことを「サーカディアンリズム」といいます。


これは睡眠と覚醒のサイクルだけでなく、ホルモン分泌、血圧や体温調節など私たちの生理機能のほとんどはサーカディアンリズムを持ち、24時間のリズムで変動しているのです。それぞれのカラダの中の細胞の時計はばらばらに動くのではなく、体内時計の中枢からの信号を受け取り、同期して働いています。


体内時計はどこにあるのか

体内時計の中枢は脳深部の視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる部位にあります。一般に体内時計といえばこの視交叉上核を指します。視交叉上核はサーカディアンリズムを奏でるオーケストラの指揮者で、体の各臓器は演奏者といったイメージでとらえると分かり易いでしょう。


体内時計の本体はなにか?

視交叉上核には何種類かの「時計遺伝子」を持つ「時計細胞」が約1万個も集まっています。時計細胞は体内のフィードバックシステムを使ってサーカディアンリズムを作り出しているのです。


別の言い方をすれば、各時計遺伝子はサーカディアンリズムに合わせて増えたり減ったりする。このような時計遺伝子の「動き」をまとめて、体内時計と呼びます。


朝増える時計遺伝子、夜増える時計遺伝子、というように、時計遺伝子の「動き」は体内の時刻を表現しているのです。


体内時計は日々時刻合わせを行っている

前述したように、サーカディアンリズムは24時間より少し長く、毎日リセットしないと、少しずつ地球の自転周期との「ずれ」を生じてしまいます。


このずれを解消し日々のリズムを整えるために、体は朝の太陽の光で親時計(視交叉上核)をリセットし、新しいリズムを刻むのです。


窓のない部屋に閉じこもって生活を続けると、やがて体内時計の時刻は地球の昼夜と逆転してしまうことにもなりえます。朝起きてある程度明るい光を浴びることが重要で、曇りの日の照度でも十分なので、朝起きたらカーテンを開けて光をカラダに取り込みましょう。


朝の光で親時計がリセットされると、親時計から自律神経を介して全身の細胞の時計(子時計)へ時刻が伝えられ、それに合わせて子時計もセットされる。結果、私たちの血圧、体温、ホルモン分泌、代謝などさまざまな生理機能は体内時計に従って調節されることになります。


体内時計が乱れると体にどんな影響があるか?

体内時計は遺伝子レベルで設定されています。これに逆らった生活は、全身の各臓器に不調を引き起こし、不眠だけでなく、がん、感染症、心臓血管系疾患、代謝疾患や精神疾患など、あらゆる病気の引き金となりうる。また、美容やアンチエイジングにも悪影響を与えるのです。


例えば血圧は、朝から日中に向けて高くなり、夜になると下がって睡眠中に最も低くなる。しかし、血圧の日内変動が乱れて夜間の血圧が通常より高くなると(夜間高血圧)、心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)のリスクが高くなると言われています。


体内時計の乱れによる「やる気が出ない・出せない」への影響

上述のとおり、体内時計に逆らう、あるいは無視をした生活を送っていると「精神疾患」を引き起こす可能性が高くなります。精神疾患の入口は「やる気が出ない・出せない」が2週間・1ヶ月・2ヶ月と慢性的に続く状態です。


こうならないためにも、体内時計を整えて、快眠ができるように心がけ、「朝の寝覚め」がよくなるようにしましょう。


朝目覚めて「・・・やる気がしない・・・」と思うのは、精神的によくないことです。まずはここから抜け出すことが大切です。


次項【質の良い眠りで「やる気が出ない」を解消する】についてお話します。